透析の話し

第12回 食事療法のポイント その3《カリウム その2》

先回は高カリウム血症がなぜ恐ろしいのかをお話しました。今回は、カリウム(以後Kと略します)制限のポイントについてお話しましょう。

Kの多い食品というと真っ先に思い浮かぶのが果物類、野菜類。それからいも類、海草類などではないでしょうか。しかし、日常よく使用する食品100g中のK含有量を比較してみると、確かにいも類や野菜類、きのこ類、海草類は多いものの果物類はそれ程多くありません。又、種類によってK含有量に大きな違いがあります。 もう一つの特徴として、食品中のK含有量は蛋白質含有量と相関関係にあります。Kというと果物類や野菜類、いも類だけを注意しがちですが魚介類や肉類といった副食の中心となる食品にも注意が必要です。

Kの過剰を避けるためには、どのような食品にどのくらいKが含まれるかを知った上で、どのくらい食べたらよいのかをきちんと把握することが大切です。なかなかむずかしいですね。どうぞ一人で悩まないで受持ち看護師や栄養士さんに相談し、勉強しながら少しずつ減らす努力をして行きましょう。

◆常用量で比較しKを多く含む食品
さといも、さつまいも、じゃがいも、納豆、枝豆、ほうれんそう、かぼちゃ、ブロッコリー、鶏ささみ、豚ヒレ、真だい、バナナ、メロン、キウイ、野菜ジュース、赤ワインなど

◆常用量は少ないが多量に食べるには注意が必要な食品
乾燥わかめ、乾燥ひじき、きな粉、ドライフルーツ、インスタントコーヒー、ココアなど

Kが高くなる原因は「Kを多く含んだ食品をたくさん摂ること」が最も多いのですが、その他にも「食欲不振による摂取エネルギーの不足」「胃や腸からの出血があるとき」「便秘しているとき」「透析が足りないとき」などでもKは高くなります。高カリウム血症の原因をすべて“Kの摂りすぎ”と決めつけず、色々な角度から原因を考えることは大切なことだと思います。

>> 食事療法のポイント その4《リン》はこちらから。

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