透析の話し

第10回 食事療法のポイント その1《塩分と水分》

透析関連シリーズ第10回目からは、食事療法のポイントを数回に分けてお話しします。
まず始めは《塩分と水分》についてまとめてみました。

人は『水を飲むな』…と言われたら余計に飲みたくなったり、なんだか砂漠に一人置き去りにされたような気分になって絶望と恐怖を感じるかもしれません。だから私は「水を制限しなさい」とは余り言いたくありません。 でも、水を飲み過ぎると心臓に負担がかかります。また、一回の透析でたくさんの水を引くと血圧が下がったりケイレンが来たりすることがあります。場合によっては、肺に水が溜まって息苦しくなり(肺水腫)、緊急透析が必要になることもあります。なので“透析患者さんには飲水を出来るだけ控えていただきたい”というのが本音です。

では、どうすれば水分摂取を無理なく控えられるのでしょうか…答えは塩分を控えることです。

透析間の体重増加は塩分量で決まるといわれています。 食事中に含まれる塩分が体内に吸収されると血液中の塩分濃度が上がり、のどが渇いてきます。塩分が1g増えると血液中の塩分濃度を正常にするために1リットルの水が必要になり、結果として体重が1kg増えることになります。 水分を管理するのではなく、塩分をきちんと管理すればのどの渇きも少なくなり、水分も控えられます。 〔※ここで言う〈水分〉とは水以外の飲料(お茶、ジュース、お酒など)や汁物も〈水分〉と考えてください〕 飲水量を減らすためには、のどごしの良い適温の飲み物はついついたくさん飲んでしまうので熱~いお茶を少量飲むとか、氷にして少しずつ口の中で味わいながら水分を補給するとかの工夫をしてみましょう。また、かまぼこ・ハムなどの練り製品や市販の弁当、惣菜や漬物、梅干、麺類等は塩分の含有量が多いので注意が必要です。

〔たとえばDW(ドライウエイト)が50kgの人は、15×50=750ml以下となります〕
でも、飲水量はできるだけ少ないほうが良いとされています。

塩分をがんばって控えて、ムリなく飲水にブレーキをかけ、元気に長~く透析が続けられるように、みんなでがんばりましょう!!

>> 食事療法のポイント その2《カリウム》はこちらから。

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